コロナについて教育の立場から思うこと。

このたび、COVID19(新型コロナウイルス)の影響を受けて、考えたことを発信します。

多数の不安を優先する「正義」

今日、教室の換気をめぐって話をした。

 

寒くなってきた。

 

寒い中、換気をがんばれば、風邪や冷えのリスクがある。

換気をほどほどにすれば、コロナに感染するリスクがある。

 

前者のリスクの方が、圧倒的に高い。

 

窓を開けたからって、別に大きく何か変わるわけではなく、

マスクを外してしゃべったり、身体が近かったりしたら、もうそれで「濃厚接触」なので、

換気が役に立つわけではない。

 

それだったら、温かくして、個人個人の免疫力を上げた方が、長い目で見れば感染の抑止になるのではないか。

 

そうなんです。

 

でもね、換気は善、というのが、ある。

 

毎年、冬になると、インフルエンザ対策のために、換気を奨励する。

子どもたちは、暖かいのがいいから、換気を嫌がる。

でも、嫌だけど、寒いけど、教室の空気を入れ替えて、ほら気持ちいいでしょう?という。

その、我慢が、インフルエンザ対策に役立つ気がするでしょう?という。

快適さを犠牲にすることが健康につながるんだよ?という。

 

私は、朝起きたら必ず窓を開けるし、帰宅しても真っ先に窓を開ける。食事が終わったら窓を開ける。できるだけ外の空気を吸っていたいと思っていた。

そもそも、実家が、窓全開主義。いくら暑くても寒くても窓全開でエアコンなし。

だから、私は換気はして当たり前だと思っていた。

 

でも、理詰めでいくと、換気はコロナ感染予防にあまり役に立たない。

 

それでも、窓を開けて空気を入れ替えるだけでよさそうなことをしている気分になるっていうのは、習慣化していることだ。

少なくとも、学校保健の観点からは、それでいいと私は思っている。

 

飲食店も窓や戸を開けている。電車も窓を開けている。

換気=感染予防。

たとえ、計算では、とか、長い目で見れば、とか、理屈で言うと、というのがあったとしても。

 

それでも、少なくとも学校を運営するスタッフの立場からすると、何かしらの感染予防対策をしていますよとアピールすることが必要なのだ。

換気をすることで、予防している気に、スタッフも生徒もなれば、それが「正義」なのだ。

データがどうのこうの、コロナ対策が過剰だの、経済が大事だの、テレビやネットで言っている学者さんがいる。それはそれで正しいし、必要だ。研究は必要で、さまざまな研究があることが大切だし、私も参考にさせてもらっている。

でも、スタッフとしては、事実や理屈がどう、ではなく、目の前の生徒の不安を和らげてあげることが一番大事なのだ。

 

ただ、もうそろそろ、寒くなってきてそうも言っていられないので、どうしようかなとは思っています。