コロナについて教育の立場から思うこと。

このたび、COVID19(新型コロナウイルス)の影響を受けて、考えたことを発信します。

「オンライン授業を」の無理さ

いま、死ぬほど働いている。

学校にいる時間は以前と変わらない。それなのに、「死ぬほど」をつける理由は、オン/オフがないからだ。教員にとって、少なくとも私にとって、授業や生徒と接する時間は「オフ」で、事務作業は「オン」なんだと思い知った。掃除や消毒や電話や印刷や発送作業など、身体を動かすときもあるものの、基本的にはずっとパソコンの前で作業している。家でできる仕事とできない仕事を分けて、後者を今必死にやっている。事務作業だいっきらいなんです、私。

 

学校を休みにする代わりにオンラインで、としきりに言われる。

全部は無理だよ。

 

まず、教員と生徒の家にあるオンライン環境が様々すぎる。

私は、家賃無駄だよねというくらいに家にいない。だから、家には長時間作業するための環境(机とか椅子とか文房具とか)もないし、Wi-Fiもない。だって、不要だもん。結構高いもん。

そして、生徒の家にも、十分に環境があるわけではない。自分専用のパソコンがあるかどうかわからない。Wi-Fiやプリンターがあるかもわからない。十分なスキルがあるかもわからない。スマホのちっさい画面でちまちまするのがせいぜいではないだろうか。

小学生はどうする?小学一年生が自分専用のスマホを持っているというのか?パソコンを使いこなせるというのか?

私は、手書きを大推奨する人だ。このデジタルのご時世に手書きさせて、漢字の間違いや言葉の間違いを指摘しまくりたい人だ。自分の生活で文字を書くことが少ないのであれば、なおさら学校の中で文字を書くべきだと思っている。

そして、授業は、生徒とのやりとりだ。一方的にしゃべることもあるけれど、基本的に、生徒の顔を見なければしゃべれない。50分丸々私一人がしゃべってるなんてありえない。双方向の授業を、と言われ、それをつくることを心がけてもきた。だって、自分一人で教科書や解説本を読んだら済むことをわざわざ授業しなくてもいいじゃないか!

 

どう提出させるのかは謎なのだけれど、やっぱり学校は紙ベースのものが基本だと思う。

オンラインである程度補うことはできるし、通信制教育の学校もあるのだからそれですべてを行うこともできるだろう。

ある程度は努力する。この一週間で、Google meetの使い方も学んだし、スタディサプリも見たし、自分のスマホにせっせと色んなアプリを入れたし、職場でオンライン授業のためのリンクを共有したりもしている。

でもね、でもね、「オンライン」ですべてが済ませられると思わないでほしい。万能だと思い込まさないでほしい。

オンラインは補ったり代用だったりにしかならない。

がんばるけど、がんばるけど、すべてができると思わないでほしい。